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2023.5.14 DRL CIRCUIT MEETING 3
photo by Jun Sakamoto
写真の無断転載はご遠慮ください。
DRLを創る人:vol.1 DRLの製品設計
当たり前をとりはらい
そもそもから考える
明るい口調で話す設計担当の厚東は、新商品開発チームのムードメーカー的存在。もとはデザインの仕事をしていた。
常識にとらわれない、ゆるやかで大胆な設計アイデアは、
「クルマのことを知りすぎないからこそ、肩の力を抜いてシンプルで自由な発想で考えられるのかなと思います。車いじりが好きでずっとやっていた人なら、むしろ逆に考えないことかもしれないですね。」
これが当たり前、という市場の空気感を打ち破る
大胆なアイディアの源はいつも「ユーザーさんが困っていること」。
徹底的なユーザー目線で
「当たり前のことを当たり前に思わず、そもそもから考えることで、
本質を捉えることを大切にしています。」
本当によいものをつくる
そのための挑戦
たとえばラジエーターとオイルクーラの一体型モデル「対(つい)」と「匝(そう)」の設計アイディアは「ラジエーターの設置スペースが絶対的な制約条件なら、2つを別でなく1つにしてしまえばよいのでは?」と感じたのがきっかけで生まれたもの。
それを現場のシュミレーションをもとに、チームで仕上げていく。
「大切なのは”部分”ではなく、“車全体で風をどうとらえるか”。安価なものではなく、本当によいものをつくることを目標に、部門を超えたメンバー全員で取り組んでいます。」
「熱交換のパフォーマンスはエンジンの実力を左右します。
製品への期待値が高い分、それを実感いただけたユーザーさんの満足度も大きいと感じています。」
ユーザーにどう楽しんでもらいたいですか?
DRLの製品は、これまでの製品とは違う角度でアイディアから考えて作っています。
ユーザーさんには、実際に試してもらうことでクルマを仕上げる楽しみを感じてもらえると嬉しいし、
DRL のこだわりを実感してもらえると思います。
これからチャレンジしたいことは?
どんどん新しいことに挑戦して、いいものを妥協なく作っていきたいです。
これからの製品では、インタークーラーが面白いと感じています。
その時々で考え得る最高のものを作り出し、止まることなく進化し続けていきたいです。
2022.3.20 スーパー耐久レース 第1戦 SUZUKA
Z34匝
DRLSA020045 / Z34匝
vol.2プロドライバー目線でみるラジエーターとは
2021年のスーパーGT第4戦では、2006年初参戦以来のGT300クラス初優勝を達成。
46歳には見えないスマートで凛とした印象の阪口選手に、今回はスーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankookの第4戦、決勝レース直前の緊張感ただようピット内で、ラジエーターについてのお話を伺いました。
まずはラジエーターについて、ドライバーとしてどのように考えていらっしゃいますか?
「もちろん温度との闘いがモータースポーツです。とくにこのシーズンになると水温、油温とも上昇します。ラジエーター=水温で、水温の上昇に引っ張られて油温も上がってしまいます。
より冷えているとエンジンもその分攻めたセッティングができますから、ラジエーターはモータースポーツシーンにおいては絶対必要なものです。
とくに僕は、自分の車は街乗り用の車もスーパーGTとかスーパー耐久などサーキットを走れる仕様にチューニングしているんですが、(他のチューニングアイテムに比べて)どっちかって言うとラジエーターは先に欲しいアイテムです。
ラジエーターは(ボンネットの中にあるので)見えないんでね、なかなかドレスアップというのが難しいかもしれないですが、ボンネットを開けるとわかりますからね、絶対に。」
水温3桁を避けるという感覚
運転されているときの感覚としては?
「水温でいえば3桁の数字にいっちゃうと、人間は100℃って聞くとどうしても沸騰するとかカップラーメン食べられるとか(笑)、そういう領域(の感覚)だと思うので、3桁っていうのはなるべく避けたいかなって、いつも思いますよね。」
サーキットの高低差なども考えながら、コース戦略にあわせてメカニックと連携をとるようにしている、と阪口さん。
なるほど、やはり温度は走ってる間ずっと気になるポイントですね。
「たとえばこのサーキット(オートポリス)は高低差のあるコースなんでね、最終コーナーの上りで一番温度が上がって、そのあとのストレートでぐっと冷えるんですよ。
冷えるというのは、当然(ラジエーターの)容量だけじゃなくて、車速や風が当たる量にもよりますからね。一周でちょっとばらつきはあるんですけど(高低差の)一番下がったところで温度をみていて、メカさんにもそう伝えています。」
自分ならチューニングは
ラジエーターから
チューニングについて、「自分ならラジエーターを先に考える」とありましたが、
ご自分でチューニングされる方に向けても、ぜひアドバイスをお願いします。
「車の種類によって、エンジンの熱量だけでなく、例えばターボ車ならブーストを上げたりすることでも熱量が絶対発生します。熱量が厳しくてピットに帰ってきてクールダウンさせるっていうのはストレスになりますよね。エンジン関係・ブレーキ関係はとくにキャパがあるほうがより連続走行が可能なので、熱が上がったからピットに帰ってくるっていうのは、本当は走りたいのに、走れないってことになってしまう可能性もありますしね。
それに温度が上がりすぎていいことって何もないんで。エンジンの補正が入ってパワーがなくなってくるってこともあるので、見えないアイテムかもしれませんけど、なるべく早め、とくに夏も走りたいっていう方、気温が上がった時でも走りたいっていう方には、特におすすめだと思います。」
レース当日はあいにくの雨模様DRLのラジエーターを使ってみて、印象はいかがですか?
「ST-3クラスから僕はTRACY SPORTSで何度も走っていて、ST-3クラスでチャンピオンも2度獲っているんですけども、水温を気にして走れなかったことは一度もないです。
そういう意味ではすごく助かってます。ぶつかったこともあんまりなくて、損傷もなかったですね。(他では)何もなくても損傷することもあるんですけど、熱とか振動とかで。
DRLさんはサーキットシーンにおいても安定度というか、信頼をおけるパートナーだと思います。」
ありがとうございます。安心して走りに集中できるということですね。
「そうですね。ただ今回については、スープラがターボ車になって熱量が大きくなってるんでね。僕たちのスープラは(市販車を改造した)前期型なんです。他のGT4のスープラとかBMWのエンジンは後期型のエンジンを積んでますからね、それと比べると水温的にはちょっと厳しいなと思っています。
シビアにはなってきますが、夏になればなるほどそういう差が出てくるというのも、ずっと一年間追っかけてきて、走りを重ねながらわかったことです。それでもなんとか(水温上昇を)抑えてもらってます。」
熱と闘いながら長い時間走り続けるコントロールに加えて、グッと加速したい時もあるのでは?
「データを見ながらですね。メーターの水温が高かったら無線で高いよと伝えて、エンジニアの伊藤さんがそれでも行ってくださいって時もあれば、キープしてくださいってこともあります。メーターをみてプッシュするっていうよりは、一回チームに無線で投げかけて、それでも良いかっていうことを確認しながらやっています。自分だけの意思ではやらないです。」
モータースポーツならではですね。チームが優先ということですね。
「そうですね。やっぱりエンジニアさんとしてはエンジンを壊したくないし、より燃費もよくしたいというのがスーパー耐久でもありますからね。
勝負をかける時もあれば、今回も5時間という長丁場でゴールしての成績次第ですからね。
僕たちがでているST-1というクラスでは、ほかの2台がスーパーカーと未来型マシン、ポルシェとKTMで、もともとがすごく早い車です。実際車重とかパワーも、僕たちの手作りの車から比べるとかなり戦闘力があるんですが、第二戦のSUGOでも優勝できたし、安定度っていう意味で長いレースで負けないように、戦略でやりたいなと思っています。そういう意味では長ければ長いほどいいのかなとも思ってるんですけど。悩んでるところはいまはないです。」
レースではスープラの違いに注目
最後に、今日のレースを観ている方、自分でも走る方に向けてメッセージをお願いします!
「今日のレースではいろいろな車が走っていると思うんですが、僕たちのスープラは現行のスープラのRZという車で、それを一から改造して、ボディ・サスペンション・ラジエーターといろんなところを手作りで作っている車です。
ST-3クラスに参戦している、僕たちの今回のスープラは(レーシング専用のシリーズのスープラと違って)メーカーの市販車をメンテナンスしています。車高も低くエアロもついていて、ちょっと個性がある車に仕上がっています。個人的には7月のスーパーGTと同じカラーリングなのもあって、かっこいいと思ってもらえたらうれしいです!エアロパーツも市販で売っているINGSさんのものだったりするので、観ている方にとっては乗っている車とか、買おうと思っている車に近くて、より親近感が沸くんじゃないかなと思ってます。
あとは加えてスピードが出せるようにしたいと思うんですけども、それは5時間走って、ゴールしてみての結果ですね。長丁場を淡々と、今回は弟の子供の甥っ子(阪口晴南)と二人なんですけども、頑張っていきたいと思います。」
決勝レース前の貴重なお時間で取材に答えてくださった阪口選手、スポーツ選手らしい清々しさと、クールな口調の中に走りを愛する情熱が感じられるお話が印象的でした。
ありがとうございました。
2022.4.16-17 スーパーGT 第1戦 OKAYAMA
DRLを創る人:vol.2 DRLの製品仕上げ
仕上げは一回きりの勝負
集中力が左右する
中村はDRL 製品の美しさを支える溶接仕上げを担当する、熱い眼差しの根っからの職人肌。
「DRL の製品はすべてが溶接仕上げなので、修正がきかないんです。
一か所でも失敗すると使えないものになってしまいます。」
同じ製品でも一台ごとに微妙に状態が違うため、そのわずかな変化を感じ取ることが求められる。
「毎回が一回きりの勝負、集中力をもって取り組んでいます。」
DRLでは漏れない製品という性能面に加えて、外観の美しさも大切な要素。
「どこに出しても大丈夫な自信の持てる仕上がりを目指して、日々改善と研究を積み重ねています。」
職人魂がつくりだす
美しさへのこだわり
「大切なのは、規則性ですね。一つひとつの部品の向きや位置の揃い方、
溶接の始点や終点をできるだけ目立たない位置にするなど、細やかな工夫を行っています。」
最終の磨きで手垢や油を取り、金属の美しさを際立たせる。
美しい仕上がりへのこだわりは、一般品とは違う大和グループの看板商品だからこそ。
「ご購入いただいたユーザーさんが箱を開けたとき、思わずニヤリとしてもらえるような、
充足感のある仕上がりを目指しています。DRLの製品を取り付けた車がレースで完走し、
結果が出たときは、チームの一員としての一体感を感じる瞬間です。」
ユーザーからの嬉しい言葉は?
「実際に使っていただくユーザさんから、よく冷えた、長持ちした、仕上がりがきれい等、
製品の良さを実感できたというお言葉をいただくときが一番嬉しいです。
逆にユーザーさんには、自分たちの気づいていないことや改善のタネとして、
ここが悪かったよということなどがあれば、積極的に教えていただきたいと思っています。」
これからチャレンジしたいことは?
「いまの課題は、微妙な手先の感覚を必要とする職人の技術を、次の世代にどのように伝えていくかということ。
人を育て、技術を持つ人材を増やしていけるよう、
後進にもどんどん技術を伝えてゆきたいです。」
2022.7.24 DRLイベント無事終了
2022.7.24 DRLイベント無事終了
イベントにご参加いただいた皆様、本当にありがとうございました。
暑い中お疲れさまでした。
イベント中の写真や皆様と撮影した集合写真は後日ご紹介させて頂きます。
2022.7.22 イベントマップを更新しました
・こちらからご覧ください >> (掲載終了)
2022.7.21 イベントマップにワケアリ品リストを追加しました
・こちらからご覧ください >> (掲載終了)
2022.7.20 タイムスケジュールをUPしました
・こちらからご覧ください >> (掲載終了)
※この後また変更する可能性がございます
2022.7.15 走行会の申し込みを終了しました
2022.7.5 イベントマップをUPしました
・こちらからご覧ください >> (掲載終了)
2022.6.3 ポスターが完成しました
・こちらからご覧ください >> (掲載終了)
2022.06.01 EVEVT 01 申込開始しました
2022.05.20 イベントを開催いたします
・詳細はこちら>> (掲載終了)
※開催内容などに更新がございましたら、またアップいたします
DRLを創る人:vol.3 DRLの技術開発
熱交換器にかける
強い思い
技術開発の仕事は設計やデザインを製品として展開し、実現させること。
熱交換器の部品の形状や生産方法の検討、機械の調達など、理想の製品を作り出すための実行役にあたる。
「精度の高いものづくりには、自社内のチームワークとともに協力先との関係の積み重ねも重要になります。
大切なのは、製造に関わる全員がより良いものを作るため、自分の役割を理解し実行することです。」
毎日がチャレンジ
顧客に寄り添うものづくり
車のオーナーの意向を最大限に実現するための試行錯誤と
“風を味方にする” ために、 何度もトライ& エラーを繰り返しながら、こつこつと分析を重ねた日々。
風抜けのよさや放熱の方法など、根本発想で考える設計をもとに、製品として実現するには
テストを繰り返し、地道なデータを集積することが重要だ。
「レースの世界では、当日を一番いい状態に仕上げることをシビアに求められます。
DRL ではレース用だから特別なのではなく、一番厳しい要求に対応できる技術力をもつことで
全体の底上げを図っています。」
仕事の中で喜びを感じるのは?
「研究しながら技術開発をしていけること。
地道な実験データをもとに改良を重ね、よりよいものを作ること、
それが開発の苦労であり醍醐味ですね。」
仕事で大切にしてきたことは?
「熱交換器のエキスパートとしてまだ作ったことがないものにトライし、
世界を拡げたいと思って取り組んできました。
かたちのないものを一から創ることが技術であり、ものづくりのコアだと思う。」
と話してくれた永見さん。これからは後輩たちがその思いを引き継いてゆく。