日本語 - レーシング用アルミラジエーター | DRL | DAIWA RACING LABO

イベントレポート:チューニングフェスタ2021 in 岡山国際サーキット

走る楽しみを
もっと感じてもらえるように

DRLの展示ブースでは、本格的な走りを追求するコアなファンの皆様にはもちろん、
体験を通じて子どもたちや、ご家族にもモータースポーツを楽しんでもらえるきっかけとなるよう、
今年は塗り絵やミニ四駆の参加型イベントを初めて行いました。

展示では、今年のS耐でmutaracing GR Supraに採用されたラジエーター4台をはじめ、
Z34の匝(ラジエータータンクにオイルクーラーを内蔵)などを展示しました。
また、ラジエーターが本来の性能をフルに発揮するためにとても重要な風の存在を
視覚的に伝えられるようミニチュア風洞実験機(第一弾)も準備。
DRLのエンジニアが解説しました。

岡山国際サーキットは2本のストレートを合計13のコーナーで繋ぐ構成
GR Supraのラジエーターを初披露
走行風がコアにめいっぱい当たることの大切さを体験してもらうため製作したミニチュア実験機第一号
製品展示の様子
GT-Rと一緒に製品を展示
ブースにはたくさんの方が訪れてくださいました

ご家族や子どもたち
思い思いに楽しんで

今回はじめての試みとして行った、子どもも大人もみんなが一緒に楽しめる!をテーマにした
体験型イベント。
ブース内に設けたミニ四駆のコースは小さな子どもでも楽しみやすいシンプルな形状に。
気に入った車を選んで、ご家族で一緒に組み立てて楽しんでもらったあとは
出来上がったばかりのそれぞれの車両でサーキットデビュー!
結構なスピードがでるので、コースアウトも続出(笑)
自分で組み立てているから楽しさもひとしおです。

塗り絵も盛況で、DRLのデモカーを思い思いの色で彩って、ユニークな一枚に。
どちらもにぎやかに楽しんでいただけました。

コーナーや坂道もあるミニ四駆のコース
こどもたちは器用!ちいさな手でどんどん仕上げていきます
男の子だけでなく女の子の参加者もたくさん!
それぞれに素晴らしい仕上がり!
いよいよ自分の手で走らせてみる。スタート!
子どもたちの自由でユニークな色使いに感動!
細かい部分まで丁寧に塗ってくれました

チームDRLとして
イベントレースに参戦

イベントとあわせて開催されたレースには、DRLもRX-7(FD)で
タイムアタックレースとマイスターカップに出場。
マイスターカップ決勝では、予選でのミッショントラブルの影響で
最後尾27位からのスタートにもかかわらず8位入賞を飾ることができました。
チームドライバーのインタビューもあわせてご覧ください。

チームDRLのデモカー RX-7(FD)
予選でのミッショントラブルをチェックするメカニック
予選と決勝の間にミッションを取り換える。スピーディーかつ正確な技術とチームワークで見事装着
最終調整をみつめながら、レースへの気持ちを高める
トラブルに見舞われたが、決勝レースは無事に出場!
ピットビューで訪れてくださったオーディエンスのみなさんと
レースの合間、ピットを訪れた子どもたちもデモカーに興味津々
今日のレース結果をレビュー
決勝前にタイヤを交換。タイヤを温めて目標ラップタイムを目指す!
走る前の一瞬、集中するとき
最後尾からぐいぐいとスピードを上げ、8位でフィニッシュ!

vol.1レーシングエンジニアにとってラジエーターとは

取材当日は2021年S耐第4戦の決勝レース開始直前、ST-1クラスに参戦する最終のチューニングを行うピットのそば。やさしい笑顔と気さくな語り口で答えてくださる伊藤さんに、プロの目でみるラジエーターについてお話を伺いました。

ピットでスタンバイするマシン
レース前にマシンの最終チェックをする伊藤さん

レースは熱との戦い
だからこそラジエーターを強化する意味がある

まずは基本的な質問から、
チューニングを行うパーツのうち、ラジエーターの重要度についてはどうお考えですか?

「レースは基本的に熱との戦い。エンジンにしても何にしても熱を持つものばかり、それを冷やすという意味ではラジエーターは無いと走れないものですね。エンジンに比べて華やかではないかもしれないけれど、重要度はものすごく高いです。」

レースというと、エンジンの性能やスピードなどのイメージがありますが、ラジエーターとスピードとのバランスという意味ではいかがですか?

「ラジエーターは直接スピードには影響しないのですが、ノーマルでもチューニングエンジンでも、エンジンは馬力を出せば出すほど熱量が上がる。そのパフォーマンスを維持するためには出る熱をちゃんとはかさないといけない、そうなると純正ラジエーターだと足りないということです。チューニングの度合いに従ってラジエーターも強化する必要がありますね。
僕らも実際エンジンはほぼノーマルを使っていますが、レースではずっと最高出力に近いところで使うのでノーマルのラジエーターだと到底足りない。出力を保って走るためには絶対に必要です!」

コーナーでの攻防。勝負に出る際の妨げにならないよう常にエンジンの温度管理は大切

冷えることに加えて
サイズや重量とのバランスが大切

なるほど、エンジンにとって、とても大事なパーツですね。
そうなると、理想的なラジエーターというのはどういうものになりますか?

「もちろん冷えれば冷えるほどいいのですが、サイズや重量も大事ですね。最近よくあるのが無駄に分厚いラジエーター、大きくて見た目のインパクトはすごくあるんだけど、実際はそんなに厚いと風も抜けないし、重い。部品自体の重さに加えて水をいれると重量もかなりになりますからね。そうなると、でっかいラジエーターをつけて余計に悪くなるってことは意外とありますから。
それに対してDRLさんはコンパクトで薄い、絶妙なサイズ感できてますよね。」

車全体のバランスを考えたチューニング。狭いエンジン内で「コンパクトで薄い」という特性は重要
レース車両に取り付けられたDRLのラジエーター
DRL製品はフィンやチューブの内側も全てアルミ素材が基本

アルミ金属素材の安心感
純正との違いとは

素材に関してはどんな要件やこだわりがありますか。

「DRLさんのはアルミで作られているので、強度があると思います。純正品だとプラスチックなので、ちょっとぶつかると曲がってすぐ漏れてしまう。金属だとちょっとぐらいぶつかっても、曲がりはしますが漏れはしないので。
耐久だと多少ぶつかっても大丈夫な、頑丈さが必要ですからね。そういう面ではかなり助かってます。」

今回のS耐では5時間、あの速度で走り続けるってことですよね。

「前回はもっとですよ、24時間ですからね」

24時間と5時間だと全然ちがうんですか?

「全然ちがいます!!(笑)」

ラジエーターの強度についてはいかがでしょうか?

「24時間だと夜間も走りますから、やはりものが当たったり多少の接触などがあるんですよ。当たったクルマが戻ってきたら、バンパーまわりを直してまた行かせてますが、それって意外となかなかできないですから。普通は前がぶつかったらラジエーターが壊れて、水も漏れて戻ってきますからね。」

なるほど、その強度もある程度想定しておかないといけないんですね。

「そうですね、想定しておかないといけないです。素材も大事です!」

メカニックのチームメンバーと最終チェック
数値データをチェックし、スタート前の最終確認。
カーレースはチーム戦。各々の役割をしっかり行いチーム全体をまとめるのがエンジニアである伊藤さんの仕事

自作のラジエーターでは使えなかった
冷却性能のパラメーター、サーモスタットが使える!

ラジエーターの信頼性で一番大事にしたいポイントをお聞かせいただけますか?

「一番大事にしたいのはやっぱり冷却性能ですね。実はDRLさんのを使わせてもらう前までは、実際僕が自分で作ってました。
コアだけっていうのが売っていて、それにアルミで板を切って曲げて溶接して作っていたんです。自作だとまともな圧力検査とかもできないし、そもそもそれが冷えるかどうかも確実ではないんだけど、ノーマルよりかは冷えるから使っとこうって使っていました。
DRLさんのラジエーターを一番最初に使わせてもらったのはたしかS2000で、はじめてサーモスタットをつけました!」

サーモスタットはどういうものですか?

「サーモスタットは、車のエンジンがオーバーヒートしないように温度調整をおこなう大切な部品です。エンジンが冷えているときはラジエーターとの水路の蓋が閉まって、エンジンの中で冷却水を還流させますが、エンジンの温度上昇にあわせてサーモスタットが開いていき、冷却水がラジエーターに流れ出すというしくみです。
サーモスタットをつけるとその流路があまり広くないため、普通レースでは外してしまって、冷却水がラジエーターにずっと循環している状態です。
でもそれだと意外と冬が面倒くさい。11月くらいから、冬だと冷え過ぎちゃうので、ラジエーターの前にガムテープ貼ったりしてあえて冷えを抑えておかないとオーバークールになるんですよ。」

様々なメーカーのパーツが採用されているレース車両
スープラらしい力強い顔つきとカラーリング

冷却性能が高いからこそ
ラジエーターに任せられる信頼感

なるほど、冷えすぎなのもだめなんですね。

「人間と一緒で適正体温(水温)があります。人間は運動すると熱をはかすために汗をかいて発汗で自己調節できるけど、車は水冷式ですからね。」

ほどよくいい状態をずっと保てることが大事なのですね。

「そうなんです。サーモスタットは基本的には冷却の邪魔だったのでずっと使っていなかったんですが、ラジエーターがちゃんと機能するとそもそもの冷却性能があるので、サーモスタットがつけられるんですよ。そうなると冬になってもガムテープを貼ったりしなくても、ほどよい水温で回ってくれるから、あれこれ考えなくてすみますね。」

ラジエーターに任せられる信頼感ですね。

「冷却性能が高くないとつけれないですからね。」

自作しなくてよくなりましたね(笑)

「ラクしちゃってます(笑)」

DRLを使いはじめたきっかけ
インタークーラーでの模索

DRLの製品を使い始めたきっかけを教えていただけますか?

「後輩が他のチームにいて、自作するより冷えてるっていうんです。サーモスタットの話にもなって、サーモつけてますよって聞いて驚きました。それまでレース界でサーモスタットをつけているのを聞いたことがなくて。初めて聞きましたね。
それでDRLさんに相談したのがきっかけです。提供が決まってからはやみつきになってます(笑)。」

なるほど、口コミというか、実際に使われた経験を聞いてということですね。
ではインタークーラーについてはいかがですか?

「僕らはずっとNA、つまりインタークーラーを持っていない、ターボ車ではない自然吸気エンジンの車を使っていたんですが、今年初めてスープラでトライしています。これが変わったインタークーラーで、水冷式なんですよ。
その水冷インタークーラーのための水を冷やす、インタークーラー用のラジエーターというのがエンジンのラジエーターとは別にあって、それを今回無理言って作ってもらいました(笑)。
オーダーメイドでDRLの設計の方が何回か来られて、外した純正部品もみてもらって、やりとりしながら出来上がるまでに結構時間がかかりました。」

使ってみて、感触はいかがですか?

「同じ時期の比較ではないので正確には言えないのですが、感覚としてはおそらく純正より冷えていると思います。
いまから経験を重ねていくという感じですね。いくつか種類も用意していただいているので、コンビネーションのテストなどは今後やっていこうと思っています。」

レースの準備でお忙しい中、終始にこやかに、わかりやすく答えてくださった伊藤さん。
車への好奇心と常に挑戦をつづける姿勢、チームへの信頼感が感じられるインタビューになりました。ありがとうございました。

DRLを創る人:vol.1 DRLの製品設計

当たり前をとりはらい
そもそもから考える

明るい口調で話す設計担当の厚東は、新商品開発チームのムードメーカー的存在。もとはデザインの仕事をしていた。
常識にとらわれない、ゆるやかで大胆な設計アイデアは、
「クルマのことを知りすぎないからこそ、肩の力を抜いてシンプルで自由な発想で考えられるのかなと思います。車いじりが好きでずっとやっていた人なら、むしろ逆に考えないことかもしれないですね。」

これが当たり前、という市場の空気感を打ち破る
大胆なアイディアの源はいつも「ユーザーさんが困っていること」。
徹底的なユーザー目線で
「当たり前のことを当たり前に思わず、そもそもから考えることで、
本質を捉えることを大切にしています。」

現場テストを繰り返し、ユーザー目線の設計アイディアが生まれる

本当によいものをつくる
そのための挑戦

たとえばラジエーターとオイルクーラの一体型モデル「対(つい)」と「匝(そう)」の設計アイディアは「ラジエーターの設置スペースが絶対的な制約条件なら、2つを別でなく1つにしてしまえばよいのでは?」と感じたのがきっかけで生まれたもの。
それを現場のシュミレーションをもとに、チームで仕上げていく。
「大切なのは”部分”ではなく、“車全体で風をどうとらえるか”。安価なものではなく、本当によいものをつくることを目標に、部門を超えたメンバー全員で取り組んでいます。」

「熱交換のパフォーマンスはエンジンの実力を左右します。
製品への期待値が高い分、それを実感いただけたユーザーさんの満足度も大きいと感じています。」

自社で設計から製造まで一貫して行っているので、製造の現場担当者と一緒に話し合いながらチームで仕上げる

ユーザーにどう楽しんでもらいたいですか?

DRLの製品は、これまでの製品とは違う角度でアイディアから考えて作っています。
ユーザーさんには、実際に試してもらうことでクルマを仕上げる楽しみを感じてもらえると嬉しいし、
DRL のこだわりを実感してもらえると思います。

固定概念に囚われることなく、自由な発想でこれまで蓄積してきた実験結果を組み合わせて様々なアイデアを生み出す

これからチャレンジしたいことは?

どんどん新しいことに挑戦して、いいものを妥協なく作っていきたいです。
これからの製品では、インタークーラーが面白いと感じています。
その時々で考え得る最高のものを作り出し、止まることなく進化し続けていきたいです。

設計室のデスク。本人は「机より、現場に出ている方が多いかも」

vol.2プロドライバー目線でみるラジエーターとは

2021年のスーパーGT第4戦では、2006年初参戦以来のGT300クラス初優勝を達成。

46歳には見えないスマートで凛とした印象の阪口選手に、今回はスーパー耐久シリーズ2021 Powered by Hankookの第4戦、決勝レース直前の緊張感ただようピット内で、ラジエーターについてのお話を伺いました。

スタート前のピット内でインタビューに応えてくれた阪口選手
ドライビングシートで出発の時を待つ

まずはラジエーターについて、ドライバーとしてどのように考えていらっしゃいますか?

「もちろん温度との闘いがモータースポーツです。とくにこのシーズンになると水温、油温とも上昇します。ラジエーター=水温で、水温の上昇に引っ張られて油温も上がってしまいます。
より冷えているとエンジンもその分攻めたセッティングができますから、ラジエーターはモータースポーツシーンにおいては絶対必要なものです。
とくに僕は、自分の車は街乗り用の車もスーパーGTとかスーパー耐久などサーキットを走れる仕様にチューニングしているんですが、(他のチューニングアイテムに比べて)どっちかって言うとラジエーターは先に欲しいアイテムです。
ラジエーターは(ボンネットの中にあるので)見えないんでね、なかなかドレスアップというのが難しいかもしれないですが、ボンネットを開けるとわかりますからね、絶対に。」

テスト走行後、画面でチェックをする阪口選手。まっすぐな背筋に感じる凛とした佇まい
車の状態や路面の状況など細かい部分を確認しあう阪口選手とエンジニア

水温3桁を避けるという感覚

運転されているときの感覚としては?

「水温でいえば3桁の数字にいっちゃうと、人間は100℃って聞くとどうしても沸騰するとかカップラーメン食べられるとか(笑)、そういう領域(の感覚)だと思うので、3桁っていうのはなるべく避けたいかなって、いつも思いますよね。」
サーキットの高低差なども考えながら、コース戦略にあわせてメカニックと連携をとるようにしている、と阪口さん。

なるほど、やはり温度は走ってる間ずっと気になるポイントですね。

「たとえばこのサーキット(オートポリス)は高低差のあるコースなんでね、最終コーナーの上りで一番温度が上がって、そのあとのストレートでぐっと冷えるんですよ。
冷えるというのは、当然(ラジエーターの)容量だけじゃなくて、車速や風が当たる量にもよりますからね。一周でちょっとばらつきはあるんですけど(高低差の)一番下がったところで温度をみていて、メカさんにもそう伝えています。」

レース車両でスタンバイ。ぐっと集中する瞬間。

自分ならチューニングは
ラジエーターから

チューニングについて、「自分ならラジエーターを先に考える」とありましたが、
ご自分でチューニングされる方に向けても、ぜひアドバイスをお願いします。

「車の種類によって、エンジンの熱量だけでなく、例えばターボ車ならブーストを上げたりすることでも熱量が絶対発生します。熱量が厳しくてピットに帰ってきてクールダウンさせるっていうのはストレスになりますよね。エンジン関係・ブレーキ関係はとくにキャパがあるほうがより連続走行が可能なので、熱が上がったからピットに帰ってくるっていうのは、本当は走りたいのに、走れないってことになってしまう可能性もありますしね。
それに温度が上がりすぎていいことって何もないんで。エンジンの補正が入ってパワーがなくなってくるってこともあるので、見えないアイテムかもしれませんけど、なるべく早め、とくに夏も走りたいっていう方、気温が上がった時でも走りたいっていう方には、特におすすめだと思います。」

レース当日はあいにくの雨模様

レース当日はあいにくの雨模様DRLのラジエーターを使ってみて、印象はいかがですか?

「ST-3クラスから僕はTRACY SPORTSで何度も走っていて、ST-3クラスでチャンピオンも2度獲っているんですけども、水温を気にして走れなかったことは一度もないです。
そういう意味ではすごく助かってます。ぶつかったこともあんまりなくて、損傷もなかったですね。(他では)何もなくても損傷することもあるんですけど、熱とか振動とかで。
DRLさんはサーキットシーンにおいても安定度というか、信頼をおけるパートナーだと思います。」

ありがとうございます。安心して走りに集中できるということですね。

「そうですね。ただ今回については、スープラがターボ車になって熱量が大きくなってるんでね。僕たちのスープラは(市販車を改造した)前期型なんです。他のGT4のスープラとかBMWのエンジンは後期型のエンジンを積んでますからね、それと比べると水温的にはちょっと厳しいなと思っています。
シビアにはなってきますが、夏になればなるほどそういう差が出てくるというのも、ずっと一年間追っかけてきて、走りを重ねながらわかったことです。それでもなんとか(水温上昇を)抑えてもらってます。」

熱と闘いながら長い時間走り続けるコントロールに加えて、グッと加速したい時もあるのでは?

「データを見ながらですね。メーターの水温が高かったら無線で高いよと伝えて、エンジニアの伊藤さんがそれでも行ってくださいって時もあれば、キープしてくださいってこともあります。メーターをみてプッシュするっていうよりは、一回チームに無線で投げかけて、それでも良いかっていうことを確認しながらやっています。自分だけの意思ではやらないです。」

モータースポーツならではですね。チームが優先ということですね。

「そうですね。やっぱりエンジニアさんとしてはエンジンを壊したくないし、より燃費もよくしたいというのがスーパー耐久でもありますからね。
勝負をかける時もあれば、今回も5時間という長丁場でゴールしての成績次第ですからね。
僕たちがでているST-1というクラスでは、ほかの2台がスーパーカーと未来型マシン、ポルシェとKTMで、もともとがすごく早い車です。実際車重とかパワーも、僕たちの手作りの車から比べるとかなり戦闘力があるんですが、第二戦のSUGOでも優勝できたし、安定度っていう意味で長いレースで負けないように、戦略でやりたいなと思っています。そういう意味では長ければ長いほどいいのかなとも思ってるんですけど。悩んでるところはいまはないです。」

甥である阪口晴南選手とドライバー2人体制で挑んだS耐第4戦。最終ラップ105周 2位でフィニッシュ

レースではスープラの違いに注目

最後に、今日のレースを観ている方、自分でも走る方に向けてメッセージをお願いします!

「今日のレースではいろいろな車が走っていると思うんですが、僕たちのスープラは現行のスープラのRZという車で、それを一から改造して、ボディ・サスペンション・ラジエーターといろんなところを手作りで作っている車です。
ST-3クラスに参戦している、僕たちの今回のスープラは(レーシング専用のシリーズのスープラと違って)メーカーの市販車をメンテナンスしています。車高も低くエアロもついていて、ちょっと個性がある車に仕上がっています。個人的には7月のスーパーGTと同じカラーリングなのもあって、かっこいいと思ってもらえたらうれしいです!エアロパーツも市販で売っているINGSさんのものだったりするので、観ている方にとっては乗っている車とか、買おうと思っている車に近くて、より親近感が沸くんじゃないかなと思ってます。
あとは加えてスピードが出せるようにしたいと思うんですけども、それは5時間走って、ゴールしてみての結果ですね。長丁場を淡々と、今回は弟の子供の甥っ子(阪口晴南)と二人なんですけども、頑張っていきたいと思います。」

決勝レース前の貴重なお時間で取材に答えてくださった阪口選手、スポーツ選手らしい清々しさと、クールな口調の中に走りを愛する情熱が感じられるお話が印象的でした。
ありがとうございました。

DRLを創る人:vol.2 DRLの製品仕上げ

仕上げは一回きりの勝負
集中力が左右する

中村はDRL 製品の美しさを支える溶接仕上げを担当する、熱い眼差しの根っからの職人肌。
「DRL の製品はすべてが溶接仕上げなので、修正がきかないんです。
一か所でも失敗すると使えないものになってしまいます。」
同じ製品でも一台ごとに微妙に状態が違うため、そのわずかな変化を感じ取ることが求められる。
「毎回が一回きりの勝負、集中力をもって取り組んでいます。」

DRLでは漏れない製品という性能面に加えて、外観の美しさも大切な要素。
「どこに出しても大丈夫な自信の持てる仕上がりを目指して、日々改善と研究を積み重ねています。」

寸分の狂いも見逃さないよう入念に確認する

職人魂がつくりだす
美しさへのこだわり

「大切なのは、規則性ですね。一つひとつの部品の向きや位置の揃い方、
溶接の始点や終点をできるだけ目立たない位置にするなど、細やかな工夫を行っています。」
最終の磨きで手垢や油を取り、金属の美しさを際立たせる。
美しい仕上がりへのこだわりは、一般品とは違う大和グループの看板商品だからこそ。
「ご購入いただいたユーザーさんが箱を開けたとき、思わずニヤリとしてもらえるような、
充足感のある仕上がりを目指しています。DRLの製品を取り付けた車がレースで完走し、
結果が出たときは、チームの一員としての一体感を感じる瞬間です。」

手仕上げだからこその信頼性と美しさがある

ユーザーからの嬉しい言葉は?

「実際に使っていただくユーザさんから、よく冷えた、長持ちした、仕上がりがきれい等、
製品の良さを実感できたというお言葉をいただくときが一番嬉しいです。
逆にユーザーさんには、自分たちの気づいていないことや改善のタネとして、
ここが悪かったよということなどがあれば、積極的に教えていただきたいと思っています。」

これからチャレンジしたいことは?

「いまの課題は、微妙な手先の感覚を必要とする職人の技術を、次の世代にどのように伝えていくかということ。
人を育て、技術を持つ人材を増やしていけるよう、
後進にもどんどん技術を伝えてゆきたいです。」